日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 高浜原発 また細管損傷・・関電 問われる管理能力

高浜原発 また細管損傷・・関電 問われる管理能力

加圧水型原子炉概念図

 関西電力は11月20日、定期検査中の高浜原発4号機(福井県高浜町)の3台の蒸気発生器のうち2台から計4本の細管で外側(2次冷却水側)から削れたとみられる損傷が確認されたと発表しました。同日、原子力規制委員会に法令に基づき報告しました。

 蒸気発生器は、炉心で加熱された1次冷却水の熱で2次冷却水を沸騰させ、タービンを回す蒸気を発生させる装置。1次系と2次系の冷却水を隔てる安全上重要な機器です。

 関電は10月7日からの定期検査で、4号機にある3台の蒸気発生器の計9747本の細管を調査。その結果、A蒸気発生器から1本、C蒸気発生器から3本の細管で外側からの損傷が見つかりました。細管の肉厚は約1・3ミリで、減肉率は約36~25%と推定しています。

 高浜原発では、2次系に流入した異物が原因と推定される蒸気発生器細管の損傷が繰り返し見つかっています。2018年は3号機で1本、19年は4号機で3台の蒸気発生器全てから計5本、今年2月には3号機で2台の蒸気発生器から計2本でした。

 一方、関電によれば、高浜原発以外の異物による蒸気発生器細管損傷は国内では、2000年の関電美浜原発3号機と1975年の九州電力玄海原発1号機の2件です。

 関電は、細管損傷が見つかるたびに異物混入対策の徹底などをかかげ、規制委はそれを妥当としてきました。同様の原因であれば今回で4回続けてのトラブルとなります。関電の管理能力とともに、規制委の対応の妥当性も問われる事態です。

 関電は今後、小型カメラによる蒸気発生器内などの調査を実施し、細管の外観の確認や異物などを調べます。4号機は来年1月下旬に運転を再開する予定でしたが、現在は未定といいます。

(「しんぶん赤旗」2020年11月21日より転載)