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東電刑事裁判控訴審 過酷事故責任を明確に・・逆転勝訴をめざす集会 & 高浜3号機細管傷で報告書・・蒸気発生器異常 規制委で議論へ

東電刑事裁判控訴審 過酷事故責任を明確に・・逆転勝訴をめざす集会

 「東電刑事裁判控訴審の勝利をめざす集会」が10月8日、オンラインで行われました。主催は福島原発刑事訴訟支援団。

 昨年9月、東京電力福島第1原発事故をめぐって業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人が東京地裁で全員無罪になった裁判で、検察官役の指定弁護士が先月、控訴の理由を記した控訴趣意書を東京高裁に提出したことを受けたものです。起訴されたのは勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3人。

 集会で冒頭あいさつした河合弘之弁護士は、2002年に国の機関が公表した地震予測「長期評価」の信頼性を否定したことが地裁判決の出発点だと指摘。先月の「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の仙台高裁判決では「長期評価」について、国が設置し多数の専門学者が参加した機関が公表したもので相当程度に客観的・合理的根拠を有する科学的知見だと認定し、刑事裁判にとっても「追い風になると思う」と述べました。

 支援団の佐藤和良団長は、地裁判決の事実誤認を覆すための立証を成し遂げ、世論に訴えて「逆転判決をめざしたい」と決意を述べました。

 集会では控訴趣意書について弁護団が解説。事故の被害者が「過酷事故の責任の所在が明らかになることを切に願っています」などと、思いを語りました。


高浜3号機細管傷で報告書・・蒸気発生器異常 規制委で議論へ

 高浜原発3号機(定期検査中、福井県)の2台の蒸気発生器で見つかった細管の損傷について関西電力は9日に開かれた原子力規制委員会の検討会で、9月に提出した報告書に基づいて原因や対策について報告しました。原子力規制庁は説明をおおむね了承し、今後、原子力規制委員会で議論される見通しです。

 3号機は、1月からの定期検査で3台ある蒸気発生器の2台(B、C)で外側(2次冷却水側)から損傷した細管が1本ずつ発見されました。関電は、異物による傷と推定しました。その結果、C蒸気発生器と損傷が見つかっていないA蒸気発生器の中から長さ数センチの薄い金属片を各1片発見。しかし、B蒸気発生器では発見されませんでした。関電は、2次系の配管内など調査範囲を拡大しましたが、新たな異物は見つかりませんでした。

 異物の混入経路は、前回定期検査で混入した異物が目視確認の困難な範囲に残留した可能性など推定しています。

 高浜原発では、一昨年以降、蒸気発生器細管の損傷が繰り返されています。昨年の4号機では3台の蒸気発生器すべてで損傷のある細管が見つかり、異物混入防止策を強化するなどとしていました。

 関電は今回の報告書で、再発防止策として、これまでの対策に加え、原子炉起動時に蒸気発生器に水を注入する系統にもストレーナ(ざる)を設置するなどの対策を取るとしています。

(「しんぶん赤旗」2020年10月10日より転載)