寿都町
「核のごみノーで力を合わせましょう」―。北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長が「核のごみ」最終処分場誘致に向けた文献調査への応募を表明した8日、日本共産党の畠山和也前衆院議員と菊地葉子、宮川潤両道議らは、「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」の代表らと話し合いました。
「町長は、町財政のために国から交付金を取るという話ばかり。町民から“貧乏でいいから核のごみを受けないで”と激励電話がたくさんかかってくる」と会の吉野寿彦共同代表。水産加工会社社長で約800の反対署名を若手の加工業経営者を中心に広げました。
会は7日、文献調査応募への賛否を問う住民投票条例制定を求める署名を提出。「応募させないために町民全体でたたかう」と吉野氏。「町長が“町は先細り”と言うのは時代の変化が見えていないから。町長が外れた町づくりを展望したい」と将来を見すえます。
ペンション経営の槌谷和幸氏も会のメンバーです。住民説明会で町長が「共産党の幸坂順子町議が(情報を)リーク(暴露)した」と触れ回った時に「町民に情報をくれた幸坂さんは英雄だ」と反論したのが槌谷氏。「町民に隠して進めるのは町民への裏切り。原発の交付金に依存する町になってはいけない」
歩調を合わせる越前谷由樹町議(無所属)と懇談しました。「越前谷さんと一緒だったから反対を貫き、街頭宣伝に取り組めた」と幸坂氏。「町民だけでなく全道の応援を」との越前谷氏の要請に、畠山氏は「核のごみは一自治体の問題ではありません。全道民の運動に向けて、日本共産党として頑張ります」と応じました。
日本共産党道委員会は8日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場建設にかかわる「文献調査」への応募表明に強く抗議し、撤回を求めるとの声明を発表しました。
声明は、「核のごみの最終処分場が設置されることによる危険性は計り知れず、影響は広範囲に及び、けっして一自治体だけの問題ではない」と指摘。核のごみの処分は原発・エネルギー政策の根幹にかかわる重大問題であり、交付金を使って地方自治体に応募させる方式は極めて問題があると告発します。
応募表明が検討表明からわずか2カ月余、「住民への説明が不十分で住民合意が得られていないのは明らか」と強調。「道には道民の総意で制定された核のごみを『受け入れ難い』とする『核抜き』条例があり、表明は条例を踏みにじるもの」と批判しています。
国は、両町村の文献調査は行わず、交付金を使って地方自治体に応募させる方式は中止し、専門的知見を十分に踏まえ再検討するよう強く求める、破綻した「核燃料サイクル」は断念し、核のごみを増やし続ける原発再稼働はただちに中止するよう求めています。
(「しんぶん赤旗」2020年10月10日より転載)