市民団体
福島第1原発事故で発生したトリチウム(3重水素)を含む放射能汚染水の海洋や大気への放出処分に反対する「原発のない福島を! 県民大集会」は2日、菅義偉首相と梶山弘志経済産業相あての署名22万4655人分と要請書を手渡し、経産省と政府交渉しました。
政府の小委員会は2月、汚染水の海洋や大気への放出を「現実的な選択肢」だとする報告書を提出。菅首相は汚染水の処分方法を「できるだけ早く決めたい」などとしています。
署名提出は8月27日に続いて2回目。県内外から集められた署名は合計で42万8044人分に上りました。
経産省の担当者は「意見公募(パブリックコメント)も4000件近く届いており、重く受け止めたい」とコメントしました。
県民大集会の角田政志実行委員長は、海洋・大気放出が処分方法の前提になっていることに「漁業や農業の生産者をはじめ、みなが納得できる別の方法を検討すべきだ」と強く求めました。
呼びかけ人の藤野美都子福島県立医科大学教授はトリチウム汚染水を環境に放出する政府の考えに「長期的な影響に責任が持てるのか。事故を起こした国や東電の態度として納得がいかない」と迫りました。
野党統一の金子恵美衆院議員(福島1区)が同席し、「パブリックコメントを公表し、国民的議論にするべきだ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2020年10月3日より転載)