住宅・医療の支援切実
東京電力福島第1原発事故の避難者が新型コロナウイルスの影響でさらなる困難に陥っていることがわかりました。「原発事故被害者団体連絡会」(ひだんれん)などが18日、国会内の会見で明らかにしました。
ひだんれんなどが5月26日から8月末まで行ったアンケートに、95人の避難者が回答。そのうち51%の48人が民間の賃貸住宅に住み、36%にあたる34人が非正規雇用で働いています。家賃の支払いについて、25人が「非常に」あるいは「やや」苦しくなったと答えています。
自由記述では、「精神的に追い詰められて食欲、気力とも低い。家賃補助を再開してほしい」「被災後5年間の国保料を少しずつ払っていたが、コロナで仕事が減って6月と7月は給料がなく、滞納分を催促されている。国保、家賃とお金に苦しめられ、もう、疲れたの一言しか出ない」などと訴えています。
ひだんれんなどは2017年度から順次、福島県内外の避難者への住宅提供や家賃補助が打ち切られたことを指摘し、国に住宅支援の再開のほか、避難者の実態調査と医療費などの減免の継続を求めています。
ひだんれん幹事の村田弘さんは「国はいつも『寄り添って対応する』というだけで、ハンディを持っている人に何もしない。精神的に追い詰められている人が多く、生活実態に踏み込んだ調査をして状況を把握してほしい」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2020年9月20日より転載)