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海に汚染水流すな・・福島で国と市民意見交換 公聴会求める

汚染水海洋放出をめぐり経産省(左奥)に質問する住民ら=3日、福島県いわき市

 政府が東京電力福島原発事故による汚染水の海洋放出を狙う中、県内外の市民でつくる「これ以上海を汚すな! 市民会議」と経済産業省は9月3日、福島県いわき市で初の意見交換会を開きました。

 市民会議メンバーで南相馬市に住む主婦の佐藤智子さんが、梶山弘志経産相宛ての要請文を、同省廃炉・汚染水対策現地事務所の木野正登参事官に提出。汚染水放出について「懸念する県民は大勢いる。海はつながっている」と述べ、県内外で一般市民の参加する公聴会を開き、放射性物質を含む「多核種除去設備」(アルプス)処理汚染水を放出しないよう求めました。

 質問した市民は汚染水の危険性を指摘。木野参事官は「処理」を行っても放射性物質が「ゼロになるわけでは決してない。トリチウムはそのまま(残る)」と答えました。

 放射性物質の除去が十分にできていないため東電が「二次処理」(再浄化)を9月以降に試行すると発表した問題で、市民は「その結果が明らかでない段階で処分方法を決めるのはおかしい」と批判しました。

 市民会議の織田千代共同代表は、汚染水を海洋放出すれば「原発事故の(被害)拡大がこれからも続く」と中止を訴えました。

(「しんぶん赤旗」2020年9月4日より転載)