東京高裁判決 来年2月19日
東京電力福島第1原発事故で福島県から千葉県に避難した17世帯43人の住民らが「津波対策で国が権限を行使すれば事故は防げた」などとして国と東電に対し損害賠償を求めた福島原発千葉訴訟第1陣の控訴審第8回口頭弁論が8月21日、東京高裁(白井幸夫裁判長)であり、結審しました。判決は来年2月19日です。
一審原告の2人が意見陳述。福島原発事故前に福島県浪江町で暮らしていた原告は、先祖代々の家も屋敷も田畑も山林も放射能で汚染され、戦後からの人生をかけて築き上げてきたものを80歳にしてすべて失ったと述べ、「重大事故を起こした国と東電の責任をはっきりと認めて」と訴えました。
南相馬市から避難した原告は、事故以前のふるさとでの営みと歴史が二度と帰ってこないと思うと、「悔しさと怒りは日々ますます募るばかり」と陳述。「ふたたび明るい人生を歩みだせる温かい判決を」と述べました。
一審千葉地裁は2017年9月、津波は予見できたが事故は回避できなかったとして国への請求を棄却。東電には「ふるさと喪失慰謝料」など約3億7600万円の賠償を命じました。原告住民と東電が控訴。控訴審では白井裁判長らが昨年6月、原告が住んでいた飯舘村や浪江町などを訪れ、被害状況を視察しました。
(「しんぶん赤旗」2020年8月22日より転載)