関西電力は7月31日、大飯原発で重大事故が発生した際の制圧拠点となる新たな緊急時対策所が完成し、同日運用を開始したと発表した。放射性物質を遮断できる施設で、約110人が7日間にわたり活動できる。
新規制基準で設置が義務付けられ、高浜原発は昨年6月に運用を始めている。大飯原発は1、2号機の中央制御室の横に代わりとなる部屋を設置して運用しながら、2016年から建設を進めてきた。
津波の影響なども考慮し3号機から約650メートル東に建設。耐震構造の鉄筋コンクリート2階建てで、延べ床面積約740平方メートル。1階に除染機材などを備えたスペースや食料の保管庫、2階には対策本部となる部屋や会議室、通報連絡室などがある。
事故時に放射性物質を入り込ませないため、ボンベ720本の空気供給装置を設置。放射性物資を取り除き外気を取り入れる設備もある。(柴田裕介)
(福井新聞2020年8月1日付けより転載)