東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)が適合性審査に「合格」するなど、再稼働へ向けた動きが進む中、宮城県(村井嘉浩知事)は女川町で8月1日、住民説明会を開きました。177人が参加し、再稼働の方針に批判の声が相次ぎました。
原子力規制庁、内閣府、資源エネルギー庁が、適合性審査や防災計画、エネルギー政策などについて報告し、東北電力が再稼働へ地域の理解を求めました。
利府町から来た男性は、規制庁に対して「世界の基準では、(原発事故時の)避難計画を規制機関が審査するのに、なぜ日本の規制庁は避難計画を審査対象としないのか。人を守るという観点が抜けている」と問いました。しかし、規制庁は、法律で決められた範囲で審査を行っていると答えるのみでした。
女川町の男性は「現在の片側1車線の国道では避難計画通りの避難はできない。道路の拡張などを行って新たな避難計画を再構築するまで再稼働すべきでない」と訴えました。
「女川原発の再稼働を許さないみやぎアクション」の多々良哲世話人は、新型コロナウイルス感染拡大が続き、開催延期を求める声があがる中の開催に不安と疑問を提示。「再稼働スケジュールありき」の県の姿勢を厳しく批判しました。
県による住民説明会は今後、県内6カ所で開催の予定です。
(「しんぶん赤旗」2020年8月2日より転載)