政府に要請書
東京電力福島第1原発事故で発生しているトリチウム(3重水素)汚染水を薄めて海に流したり大気に放出するなど処分方法を政府が検討している問題で、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、紙智子、岩渕友両参院議員が7月27日、梶山弘志経産相あてに、拙速に結論を出さないよう求める要請書を提出しました。
要請書は、この夏にも処分方法を政府・東電が決定するという不安が広がっていると指摘。コロナ禍で十分な国民的議論がされないなか拙速に結論を出さず、あらゆる知恵を探求し当面は陸上でのタンク保管を継続することを求めています。
対応した経産省の須藤治・福島復興推進グループ長は「丁寧にいろんな人の意見を聴きたい」としつつ「現行タンク計画ではいっぱいになる時期がみえている」と答えました。
高橋氏は、福島県議会や県内21市町村議会、関係団体から反対の声があがるなか決定を急げば「禍根を残す」と指摘。タンクの置き場がないと消去法で決めるのでなく、「時間をかけ知恵を出し合うべきだ」と述べました。
岩渕氏は福島の若者の取り組みを紹介。「風評対策と言うが、今ある被害の賠償さえ打ち切られている。これ以上、事故の責任を県民・国民に押しつけるのか」と問いました。
紙氏は「時間がないと言うが、東電や国の都合で進めているのではないか」と批判。国民的議論のうえで、漁業者や農林業など事故の被害を受けている人が希望をもてるような解決法を求めました。
(「しんぶん赤旗」2020年7月28日より転載)