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伊方原発 廃炉視野に抜本見直し求める・・愛媛県に「とめる会」要請

申し入れ書を手渡す須藤昭男共同代表(左から3人目)と、とめる会のメンバー=28日、愛媛県庁

電源喪失などの県報告書案撤回を

 愛媛県の伊方原発をとめる会は7月28日、県庁を訪れ、今年1月に四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)で発生した電源喪失などのトラブルに関し、県原子力安全専門部会が16日に見解等をまとめた報告書案の撤回と3号機の廃炉を視野に入れた抜本的な見直しを中村時広知事らに求めました。

 伊方原発では1月の定期点検中に、▽堆積物の付着で制御棒が切り離せず、つり上がる▽点検用ラックへの燃料集合体の挿入に失敗し、ラックの枠に乗り上げる▽電子機器の故障で電源が一時喪失し、使用済み核燃料プールの冷却が43分間途絶する―などのトラブルが発生しました。

 申し入れ書は報告書案について、制御棒を切り離せなかった駆動軸の交換時期等の規定がなく、経年劣化を顧みないものと批判。乗り上げた燃料集合体の負荷を軽視し、安易に「健全性に問題はない」とすべきでないと指摘するとともに、電気系統の検査に3号機を接続したことで全電源喪失を招いたことへの厳しい指摘や、故障した機器の変更等をする検討がないことを強調。さらに燃料プール冷却停止が軽視され、発生当日、県と四電の会見でも触れなかった点への反省と報告書への記載を求めました。

 応対した担当者は知事や同専門部会長らに伝えると答えました。

 同報告書案は29日の県伊方原発環境安全管理委員会で審議され、了承されれば、その後、知事が検討し、判断することになっています。

(「しんぶん赤旗」2020年7月29日より転載)