福島県農民運動連合会(福島県農民連)は7月21日、東京電力福島第1原発事故による被害にかかわり、汚染水の海洋放出を行わないことなどを求め、政府と東京電力に要求しました。
海洋放出について、佐々木健洋事務局長は政府が主催した意見を聞く会合で、漁協、農協など幅広い団体から反対の声があがったと指摘。「県民は総じて反対だ」として、タンクによる陸上保管など「英知を結集した対応を」と迫りました。
「風評被害対策をする」「丁寧に説明する」との国、東電の回答に対し、佐々木氏は「スケジュールありきで、アリバイづくりのための説明会だ」と批判しました。
東通原発(青森県)の建設、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の中止を求めたのに対し、経産省の担当者は「事業者が決める」とし、東電は「福島に責任を果たすため資金を確保するには再稼働が必要だ」と回答。
本多芳司副会長は「再稼働で資金を確保すると言うのは、まったく受け入れられない」と批判。南相馬市から参加した三浦広志さんは「どんな地震が起きるか分からない。東日本大震災などで得られた知見を無視するのか」と建設・再稼働は許されないと強調しました。
交渉には、農民連本部の笹渡義夫会長も参加。日本共産党の紙智子、岩渕友両参院議員、藤野保史衆院議員のほか、立憲民主党、野党共同会派、「れいわ新選組」の国会議員が同席しました。
(「しんぶん赤旗」2020年7月22日より転載)