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賠償額に差 納得できず・・福島原発かながわ訴訟 原告が陳述

東京高裁

 東京電力福島第1原発事故で福島県から神奈川県に避難した174人が国と東電を相手に損害賠償を求めている「福島原発かながわ訴訟」控訴審の第2回口頭弁論が7月17日、東京高裁(白石哲裁判長)で開かれました。原告の女性(40)と原告弁護団が意見陳述し、地裁判決が「ふるさと損失慰謝料」を認めたものの、対象を避難指示等の区域のみとした問題などを批判しました。

 事故当時いわき市に住んでいた原告女性は「原発から約40キロに位置する避難指示区域外だったが、小学校に上がる長男の健康を考えて神奈川県に避難した。長男はいじめや不登校に悩み、いわき市に残った夫も家業の和菓子屋を閉めざるをえなかった」と陳述。地裁判決が避難指示等の区域内外によって賠償額に大きな差をつけたことは「とても納得がいかない」と訴えました。

 山野健一郎弁護士は原告らが求めている慰謝料は生活基盤の損失や毀損(きそん)、変容に対するもので、避難指示等の有無には関係ないと指摘。「区域外の避難者にも『ふるさと損失・生活破壊慰謝料』が認められるべきだ」と強調しました。

 裁判前の集会で村田弘原告団長(77)は「良い判決に書き換えたい。時間はかかるが団結して頑張る」と表明しました。

(「しんぶん赤旗」2020年7月18日より転載)