日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 国免責 一審は誤り・・原発千葉訴訟控訴審 原告ら陳述

国免責 一審は誤り・・原発千葉訴訟控訴審 原告ら陳述

東京高裁

 東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県から千葉県に避難した6世帯17人の住民が東電と国に損害賠償を求めた千葉訴訟第2陣の控訴審の第1回口頭弁論が7月10日、東京高裁(岩井伸晃裁判長)でありました。

 原告とその代理人弁護士が意見陳述。控訴理由の説明として、福島第1原発の敷地を超える大津波をめぐる予見可能性の判断枠組みの問題点や、国が決めた避難区分や低額な賠償基準をうのみにして被害に向き合っていないことなど、国の責任を否定した一審千葉地裁判決の誤りについて述べました。

 滝沢信弁護士は「事故から9年4カ月が過ぎたが、事故は決して終わっていません」と強調し、「事故を防ぎ得たのに何もしなかった国と東電の法的責任がこの裁判では問われている」と述べました。

 原告の男性は、一審判決について「理解できない」と述べながら、ふるさとに戻れない心情を語りました。別の原告(代読)は、原発事故の苦しみから今も解放されないと語り、「事故がなかったら…を繰り返すことがある」と述べました。

 一審千葉地裁判決は昨年3月、国が東電に津波防護策を指示しなかったのは「不合理な判断とはいえない」と、国の責任を否定。損害賠償では、個別事情に応じて避難継続の合理性を判断する一方、半数以上の原告の請求を棄却し、原告、東電双方が控訴しました。

(「しんぶん赤旗」2020年7月11日より転載)