国際環境NGOの「FoE Japan」は6月6日、東京電力福島第1原発事故による汚染水の海洋放出をめぐる問題についてのオンラインセミナーを開きました。
福島第1原発事故の汚染水処理をめぐっては、国の小委員会が薄めて海洋へ流す方法と蒸発させ大気へ出す方法を「現実的な選択肢」とする報告を公表しています。試験操業など漁業の再開へ漁業者の努力が続くなか、小委員会による意見聴取では、福島県漁連などから反対の意見が相次いでいます。
セミナーでは、FoE Japanが汚染水問題で漁民の声を取材した映像「福島の漁師たち“『汚染水』を放出しないで”」を公開。満田夏花事務局長が汚染水の海洋放出についての情勢や、漁協アンケートについて報告しました。
岩手から、東京までの太平洋沿岸6都県の漁協アンケートでは、「海洋放出に反対」が圧倒的多数だったと紹介。国民の声を聞かないまま進められていると指摘し「15日まで行われているパブリックコメントで私たちの声を届けていきましょう」と呼びかけました。
参加者からは「国や東電は国民にスキーム(枠組み)を示していない」「そもそも汚染水の増大への対応はどうなってきたのか」との意見が相次ぎました。
(「しんぶん赤旗」2020年6月7日より転載)