東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の地元同意差し止めを求めて、住民17人が宮城県と石巻市に対して申し立てた仮処分の第5回審尋が5月28日、仙台地裁でありました。
原告側が会見を開き、原発の安全対策工事が2年延期されているものの、市・県側は「工事が完了しなくとも、関係機関の合意を得られれば(再稼働)同意を進める」と述べていると報告しました。
宮城県は21日、原発5~30キロ圏内の住民の避難について、圏外の避難先への到着に約3日(市が策定した避難計画の想定の10倍以上)かかるという試算を発表しています。
会見で小野寺信一弁護士は、県の試算は避難者のトイレや食事、検査の所要時間などについて考慮されておらず、実際はさらに日数がかかると指摘。「県の調査でも、リアリティーがなく実効性を持たない避難計画だと明らかになった。再稼働に同意することは、住民の生命・健康に重大な影響を及ぼします」と話しました。
次回審尋は6月16日の予定です。
(「しんぶん赤旗」2020年5月29日より転載)