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原燃再処理工場「合格」・・規制委 未確立技術 必要性もなく

 原子力規制委員会は5月13日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)が新規制基準に適合したとする審査書案を了承し、14日から30日間の意見募集を行います。(関連2・12面)

 再処理工場は、政府が進める核燃料サイクル政策の重要な施設です。しかし、核燃料サイクルは技術的にも未確立な上、至る所で破たんしています。

 同工場では年間約800トンの使用済み燃料を再処理し、約8トンのプルトニウムを分離する能力があります。

 日本は、核兵器の材料にもなるプルトニウムについて、利用目的のないプルトニウムは持たないと説明してきましたが、現在、約46トンのプルトニウムを内外に保有し、国際社会から懸念を招いています。一方、プルトニウムの利用先として説明されていた高速増殖炉「もんじゅ」は2016年に廃炉が決定。通常の原発でプルトニウムを消費するプルサーマルは現在九州電力玄海原発など4基で、新たなプルトニウム分離の必要性はありません。

 原燃は14年1月に新規制基準への審査を申請。設備の点検不備などが発覚し、一時審査が中断する事態もあり、審査に6年以上もかかりました。

 審査では、使用済み燃料を切断するまでの冷却期間を当初の4年から15年以上と変更。想定する地震の揺れは申請時の600ガル(ガルは加速度の単位)から、700ガルに変更されました。

 再処理工場は1993年に着工。原燃は、当初は97年の竣工(しゅんこう)予定から、24回も延期を繰り返し、現在は2021年度上期の完成を目指すとしています。再処理工場の運転開始には、詳細な工事方法などの認可や使用前検査が必要です。

(「しんぶん赤旗」2020年5月14日より転載)