原子力規制委員会は3月30日、原発でのテロ対策施設(特定重大事故等対処施設=特重施設)の運用に先立ち、原子力事故の際、原発の状態を事業者が判断する指標となる緊急時活動レベル(EAL)の見直しのための検討チームを設置することを決めました。
原子力災害対策指針では、住民の避難やヨウ素剤の服用などの行動をとる判断のために緊急事態区分を定めています。原発から5キロ圏内の住民が避難する「全面緊急事態」など三つに区分されています。全電源喪失や停止機能の喪失など、原発事故の状態から、どの緊急事態区分かを判断する基準がEALです。
特重施設は、再稼働した原発などで設置工事が続けられています。3月16日には、九州電力川内原発1号機が、特重施設の設置が期限に間に合わなかったため停止しました。九電は12月の運転再開を目指しています。
規制委は特重施設が設置されたことを前提に事故時の原発の状態を整理し、EALを見直すとしています。基本的に公開の会合で検討するとしています。
(「しんぶん赤旗」2020年4月1日より転載)