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いわき市民訴訟口頭弁論 「重大な精神的苦痛」・・福島地裁支部 原告、原発被害訴え

 東京電力福島第1原発事故被害の完全賠償を求める、いわき市民訴訟(伊東達也原告団長)の第40回口頭弁論が3月16日、福島地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)で開かれ、高木竜輔・前いわき明星大学准教授と伊東達也原告団長が意見陳述しました。

 高木さんは、原発事故被害に対する意識や避難者に対する意識調査(2014年、17年)に基づいて陳述。「放射能による健康不安という直接的な被害を生じさせ続けているだけでなく、市民の分断・軋轢(あつれき)といった状況まで生じさせ、市民全体に重大な精神的苦痛を与え続けている」と述べました。

 伊東さんは1972年ごろから公害を研究する研究会を立ち上げ、原発問題に取り組んできたと証言。チェルノブイリ事故が起きた翌年に「原発問題住民運動全国連絡センター」が発足。現在、筆頭代表委員を務めていることを述べました。

 東電はたびたび重大な事故を起こし、直接交渉をするものの聞く耳を持たなかったと証言。12日の避難者訴訟控訴審の仙台高裁判決について「市民団体が繰り返し津波に対する抜本的対策を求める申し入れをしているのに、具体的な対策工事や実施を先送りしてきたと怠慢を指摘している。原告にとっては『痛恨の極み』と判決文に書かれている」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2020年3月17日より転載)