女川原発2号機「合格」・・規制委 地元からは再稼働反対の声
原子力規制委員会は2月26日、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が新規制基準に適合するとして、設置変更を許可しました。新規制基準に合格し許可を受けた原発は9原発、16基目。2011年の東日本大震災で被害を受けた被災原発では日本原子力発電東海第2原発(茨城県)に続く2基目です。
事故時の避難計画の実効性など問題は山積。地元からは再稼働反対の声が上がっています。
女川原発は、重大事故を起こした東京電力福島第1原発1~3号機と同じ沸騰水型。震災時は、外部電源5系統のうち4系統が遮断したほか、火災の発生や原子炉建屋が浸水するなど、重大事故になりかねない事態でした。また、女川原発は、たびたび強い地震の揺れを経験しており、2号機の原子炉建屋は多数のひび割れが見つかり、剛性(変形しづらさ)が著しく低下していることも分かっています。
東北電は、2号機の再稼働の前提となる審査の申請書を13年12月に提出。昨年11月に規制委が審査書案をとりまとめ、30日間の一般からの意見募集を行いました。「ヒューマンエラーが多い原発」「基準地震動は低すぎる」などの審査書案への意見が約千件よせられました。
1号機は、18年に廃炉が決まっていますが、東北電は、2号機の対策工事に約3400億円を見込み、20年度内に完了するとしています。
再稼働には、工事計画の認可や対策工事の完了のほか、地元合意が必要になります。
欠陥原発動かすな・・女川審査“合格” 共産党宮城県議団が談話
原子力規制委員会が東北電力女川原子力発電2号機(宮城県石巻市・女川町)について再稼働に必要な新規制基準を満たしていると決定したことに対して、日本共産党宮城県議団の三浦一敏団長は2月26日、次のような抗議の談話を発表しました。
女川原発は被災原発として、地域住民が大変心配しており、危険な炉心溶融対策や国の基準を大幅に上回る耐圧ベントの放射能放出など、重大な欠陥がある原発を絶対に動かしてはならない。
さらに、広域避難計画の実効性のないことなどずさんな問題も次つぎに明らかになっており、再稼働の前提そのものが崩壊している。世論の力を結集し、再稼働阻止のために全力を尽くす。
(「しんぶん赤旗」2020年2月25日より転載)