日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の新規制基準に基づく原子力規制委員会の審査会合で、原電がボーリング調査結果の地質データの書き換えをおこなっていたことがわかりました。2月7日に開かれた会合で規制委が指摘して明らかになりました。規制委からは「審査の根幹に関わる」「倫理上の問題だ」との指摘が相次ぎ、石渡明委員は「これをもとにした審査はできない」と述べ、審査を打ち切りました。
書き換えられていたのは、原電が2012年に行ったボーリング調査結果の「記事」とされた記録。原子炉直下に活断層があるかどうかに関係するもので、18年11月の審査会合では「未固結」と記載されていたのが、この日に示された資料では「固結」と変更されていました。原電から説明もされませんでした。
規制委が「ボーリングの観察結果をなかったものにするような記事を削除するのは看過できない」と指摘すると、原電は別の方法による観察結果を踏まえて記述を書き換えたと述べ、「意図的にやったものではない」と弁解。これに対し、規制委は、生データを「削除したり、書き換えをしてはならない」と批判した上で、書き換えが他にないかどうかや、今後の改善点などについて報告を求めました。
同原発をめぐっては、規制委の調査チームが15年3月に報告書を出し、2号機原子炉直下を通るD―1破砕帯(断層)が、敷地内を通る、第一級の活断層とされる「浦底(うらそこ)断層」と連動する可能性があると判断しています。新規制基準は活断層の上に重要施設を建てることを禁じており、原電は廃炉を迫られています。
(「しんぶん赤旗」2020年2月9日より転載)