原子力規制委員会は2月7日、原子炉建屋直下に活断層があると指摘されている日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)の審査会合で、原電が提示した地質データに不適切な書き換えがあると指摘した。審査の根幹に関わる問題だとしてこの日の会合を打ち切った。
問題となったのは原電が2012年に実施した掘削調査の記録。従来の資料では「未固結粘土状部」と記載していたが、7日の資料は「固結粘土状部」に変わっていた。
会合で規制委は「元のデータの書き換えは絶対にやってはいけない。倫理上の問題だ」と批判。原電は、別の方法で詳細に観察した結果を踏まえ記載を修正したなどと弁解し「説明が足りていなかった」と陳謝した。規制委は他に書き換えがあるかどうか調べて報告するよう求めた。
規制委の担当者は会合終了後の取材に、少なくとも十数カ所で書き換えが見つかったと指摘。審査の焦点となっている断層の活動性にどう影響するかは「まだ技術的に議論していない」として言及しなかった。
敦賀2号機を巡っては、規制委の有識者調査団が建屋直下に活断層がある可能性を指摘し、規制委として評価書を15年に確定させた。廃炉が濃厚となったが原電は反論し、同年に再稼働に向けた審査を申請した。
(福井新聞2020年2月7日より転載)