東京電力は1月29日、福島第1原発2号機タービン建屋の地下にたまっている高濃度の放射能汚染水の水位が、周辺の地下水の水位を超えたと発表しました。汚染水が外部に流出する危険性がある異常事態。東電は建屋の汚染水をくみ上げ、30日正午ごろに水位逆転は解消したとしています。
東電によると、29日午後1時ごろ、1日1回の点検で、建屋周囲の井戸(サブドレン)よりも建屋の水位が16・5センチメートル上回っていることが確認されました。さかのぼって調べたところ、同日午前5時30分の時点で近傍のサブドレン水位を上回っていました。10カ所中9カ所のサブドレンで、計器誤差を考慮して設定した水位差(40センチメートル)を下回ったことがわかりました。
東電は、降雨によって建屋内の水位が上昇した可能性があるとみて、流入ルートを調べています。2号機タービン建屋内で2018年11月に採取した汚染水からは放射性セシウムが1リットル当たり約501万ベクレル、ストロンチウム90が同218万ベクレル検出されています。
東電は環境に影響はないとみていますが、今後も水質分析を確認するとしています。
(「しんぶん赤旗」2020年1月31日より転載)