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大飯の差し止め・・大阪高裁認めず/「科学者の声無視」

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)は安全性に問題があるとして、京都府の男性が運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で、大阪高裁(山下郁夫裁判長)は1月30日、男性の即時抗告を棄却しました。男性の弁護団は「科学者の声を無視した決定」との声明を発表しました。

 関電が策定した耐震設計の目安になる最大の揺れ(基準地震動)の合理性が争点。山下裁判長は原発について「絶対的安全性を要求するのは相当ではない」と指摘した上で、基準地震動が安全性基準に適合するとした原子力規制委員会の判断が合理性を欠くとは言えないと結論付けました。

 男性側は、規制委の元委員長代理で基準地震動などの審査を担当した島崎邦彦・東京大学名誉教授(地震学)の指摘をもとに、大飯原発の基準地震動が過小評価されており、原子炉等規制法の求める安全性を欠くと主張していました。

 大阪地裁は昨年(2019年)、仮処分の申し立てを却下。男性が即時抗告していました。

(「しんぶん赤旗」2020年1月31日より転載)