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福島原発事故から9年目 昨年、新たに稼働した原発ゼロ・・原発推進・核燃料サイクル政策の転換を

 東京電力福島第1原発事故から9年目。ことし成人式に参加したのは、当時の小学校5年生たちです。

 福島県の集計では、今も県内外で避難生活を余儀なくされている住民は4万人以上で、震災関連死は約2300人に上ります。全町避難が続く同県双葉町では3月に避難指示が一部解除されますが、昨秋の住民調査によれば、将来も含めて「戻りたい」と答えたのは1割でした。

 原発事故の被害が続くなか、政府の原発推進政策は完全に行き詰まっています。昨年新しく再稼働した原発はゼロ、原発輸出計画は総崩れです。関西電力の原発マネーの還流事件も発覚しました。原発のテロ対策施設が期限内に間に合わず、再稼働した原発が今年は相次いで停止する見込みです。

 原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して利用するという核燃料サイクル政策もすでに破たんしています。原爆の材料にもなるプルトニウムは国内外に大量にたまり、海外からの疑念も招きかねない事態です。

 先日は、四国電力伊方原発3号機でプルトニウムとウランを混ぜた使用済みのMOX燃料が原子炉から取り出されました。政府は使用済みMOXからもプルトニウムを取り出して再利用する考えですが、具体的なことは何も決まっていません。取り出した後は敷地内のプールで冷やし続けるしかなく、通常の使用済み核燃料以上に危険との指摘も。

 問題を先送りにして行き場がないものを新たに生み出す原発推進・核燃料サイクル政策。転換しかありません。

(「しんぶん赤旗」2020年1月16日より転載)