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初期被ばく 線量不明・・浪江訴訟口頭弁論 研究者が証言

 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域に指定された福島県浪江町津島地区の住民たちが国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めた訴訟の第24回口頭弁論が福島地裁郡山支部(佐々木健二裁判長)で11月14日開かれました。

 原告側証人に立った木村真三独協医科大学国際疫学研究室准教授(放射線衛生学)は福島第1原発事故直後から現地調査した結果に基づいて証言しました。

 木村氏は2011年3月15日、浪江町に入り空間線量を測定しました。300マイクロシーベルトまで計測できる線量計が振り切れて正確に線量を見積もることができませんでした。「浪江の人たちの初期被ばくがどれだけあったのかは不明。(原発事故から8年8カ月がたち)累積被ばくの危険性については、まだ十分に解明されていないため、国や東電が『心配いらない』とするのはあまりにも雑な議論」とのべました。

 原告は、津島地区全域の除染の実施と、原発事故発生から原告が避難する11年3月15日まで何らの情報もないままに高線量の場所に居させられたことにたいする慰謝料を請求をしています。

(「しんぶん赤旗」2019年11月15日より転載)