原子力規制委員会は12月11日の定例会合で、許認可や検査に関わる法制度や組織などの課題について総合的な評価を行う、・IAEA(国際原子力機関)の総合的規制評価サービスを2015年後半めどに受け入れることを決定しました。
総合的規制評価サービスは、加盟国の要請に基づいて実施されます。日本は2007年に同サービスの評価を受け、08年には「原子力安全。保安院と原子力安全委員会の役割の明確化」など10項目の勧告を含むIAEAの報告書が公開されました。しかし、おおむね2年後に行うとされていたフォローアップ調査を日本は実施しないまま、福島第1原発事故が発生しました。
今回、原子力関連法令の改定や規制委の発足、新規制基準の施行など、原子力規制行政が大幅に改編されたことから、規制委ではフォローアツプ調査ではなく、より全般的な調査を受ける方向です。近くIAEAに総合的評価受け入れの意思を伝えます。
原発コスト調査委設置へ・・仏下院 依存率引き下げ準備
【パリ=浅田信幸】フランスの国民議会(下院)は12月11日、原子力発電所に関して「国家および納税者、消費者にとってのコスト」をあらゆる角度から明らかにする調査委員会の設置を決定しました。仏議会が原発コストを調査するのは初めてといいます。
調査委員会の設置は与党の一角を占める緑の党が提案。「核技術のすべての側面における現在と将来のコスト、および将来にわたる財政的不確実性」を明らかにします。緑の党のボパン議員は「不確実性」について、「原発事故、原子炉解体、核廃棄物管理にかかるコスト」を含むと述べました。
オランド大統領は、東京電力福島第1原発事故を受け、昨年の大統領選で、電力の原発依存率75%を50%に引き下げることを公約。来年夏以降に「エネルギー転換法」の提案を予定しています。半年後に提出される委員会報告は法案準備の重要な基礎となることが期待されています。
調査委員会設置提案について、野党の保守政党・国民運動連合(UMP)と中道派の民主独立連合(UDI)は採決に加わらず、反対ゼロで可決されました。国民議会では野党少数派を含めすべての会派が、全議員の5分の3以上の反対がない限り、年に一つの置査委員会を設置する権利を持っています。