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原発推進に深く関与 関電金品提供問題・・元助役 特別な存在感 福井・高浜町 共産党町議 振り返る

 

渡辺孝高浜町議

関西電力経営陣らに少なくとも2011年からの7年間で約3億2千万円相当の金品を提供していた福井県高浜町の森山栄治・元助役(故人)。地元議員は「原発の建設・増設に深くかかわった人物なのは間違いない」と語ります。町政でも特別な存在感を持っていたとみられます。

 森山氏は京都府綾部市の職員を経て1969年に高浜町役場に採用されました。その後、収入役などを経て77~87年に助役を務めました。

 議会などで接する機会があった日本共産党の渡辺孝町議が振り返ります。

 「自分が初当選した79年は、高浜原発3、4号機の増設が問題になっていたころ。当時の町長と森山助役が町政を取り仕切っていて、行政に自由にものを言える雰囲気は乏しかった。30歳そこそこの自分が2位で当選できたのも、暗い雰囲気を変えてほしいという民意があったのでは」

 町発注の土木工事をめぐり、議会で森山氏に町の責任を追及したこともあるといいます。「議長たちのいる前で、かなり強い言葉で詰め寄られた。町職員は『Mさん』と呼んで恐れていた」

 森山氏は後に、町の都市計画審議会の委員を務めました。

 「会議がある日は、課長級以下の職員が3人ほど玄関に立って森山氏を出迎え、見送りしていた。そんな扱いを受けていたのは彼だけだった」

 町の教育委員長にも選任されるなど、退職後も影響力を保ったとみられます。

 地元紙報道によると、05年の町村合併50周年の会合で森山氏は、30人の町政功労者の一人として表彰を受けました。当時の町長は「過疎化が進んだが、原発誘致で難局を打開できた」とあいさつしたといいます。

 原発とのかかわりも続きました。民間調査会社によると、高浜原発を警備する警備会社の大株主に同氏の名前があります。

 90年に開かれた高浜原発15周年記念式典にも出席。業界紙の電気新聞は「誘致に力を尽くした…森山栄治前助役らを中心に、思い出話に花が咲いていた」と報じています。

関電に抗議文 オール福井反原発連

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた問題を受け、「オール福井反原発連絡会」は27日、同社に抗議文を提出しました。

 同連絡会は、県内の原発反対5団体からなり、中嶌哲演代表らが美浜町にある関電原子力事業本部を訪れました。日本共産党からは山本貴美子、松宮学両敦賀市議が参加しました。

 関電は同日、八木誠会長を含む20人が3・2億円の金品を受け取っていたと認めました。金沢国税局によれば、原発関連工事を請け負う高浜町内の建設会社から元助役に対し、工事受注に絡む手数料として約3億円が渡っていたとされ、「原発マネー」還流の構図です。

 抗議文では「『原発マネー』にどぶつけになり、法律を守ろうとしない方々の感覚。原発の建設費は電気料金や国の補助金で賄われており、国民の金を裏金ルートに乗せ着服したものだ。絶対許せない」と厳しく批判。徹底調査とともに、老朽原発を再稼働させず廃炉にするよう要請しています。抗議文は、応対した関電の社員に手渡しました。

(「しんぶん赤旗」年9月29日より転載)