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不安なお 国は賠償を・・福島 いわき市民訴訟口頭弁論

裁判所までデモ行進してアピールする原告団・弁護団=10日、福島県いわき市

 福島第1原発事故被害の完全賠償と原状回復を国と東京電力に求める、いわき市民訴訟(伊東達也原告団長)の第37回口頭弁論が9月10日、福島地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)で開かれました。原告本人尋問が行われ、佐藤三男さん、遠藤理恵子さん、鈴木信行さんの3人が陳述しました。

 38年間小学校の教員を勤めた佐藤さんは「街は多くの人が事故後避難して人がいなくなり、命にかかわる恐怖を覚えた」と事故直後の状況を語り「生活の深いところで不安が残っています。国と東京電力は責任をとってほしい」と述べました。

 遠藤さんは幼稚園で保育士をしてきました。長男、長女、次女、2人の孫がいました。

 「長女家族と避難した地域も放射線量は高かったことを知り、当時8歳と10歳だった孫の健康が心配です。甲状腺検査で再検査を言われたときは言いようのない恐怖を覚え、今も不安はとれていません」と陳述。最後に訴えたいことはと問われて、「一番は原発事故の責任をはっきりさせてほしい。ちゃんと謝ってほしい。二番目は県民に寄り添い見捨てないでほしい」と訴えました。

 鈴木さんは「事故直後水道水が出なくて、自然水をくんで使用していました。後悔しています。今も外で作業をするときにはマスクをつけ、長袖、手袋をしています」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2019年9月11日より転載)