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主張 福島第2廃炉表明・・原発固執から決別する時だ

 東京電力は、福島第2原発(同県楢葉町、富岡町)の1~4号機を廃炉にすると正式に福島県に伝えました。早ければ、今月末の同社取締役会で廃炉を決定する予定です。

 2011年3月11日の東日本大震災で大事故を起こした第1原発を含め、10基あった県内の原発はすべて廃炉に向かいます。県民世論が、第2原発の存続にこだわった東電を追い込んだものです。安倍晋三政権や東電をはじめとする電力業界の原発固執路線の行き詰まりは明らかです。

県民の総意が動かした

 大震災で未曽有の被害を生んだ東電福島第1原発事故はいまだ収束していません。今も8万5千人が避難生活を余儀なくされています。炉心溶融を起こした1~3号機の廃炉作業も難航をきわめています。

 第1原発から12キロ南にある第2原発も大津波で浸水し、4基中3基が原子炉冷却機能を一時失う事態にも陥りましたが、かろうじて重大事故を免れました。

 原発事故で甚大な被害をこうむった福島県民にとっては、第1原発だけでなく、第2原発の廃炉は立場の違いをこえた総意です。

 それは、福島県議会で第2原発全基廃炉を求める意見書などを全会一致でくりかえし可決し、同様の意見書や決議は59ある県内のすべての市町村で可決されたことに示されています。廃炉は当然ですが、あまりに遅すぎる決定です。

 東電の小早川智明社長は、昨年6月、廃炉を検討するとのべていました。それが延々と先のばしされてきたのは、あくまで第2原発を動かしたいという東電の経営優先の姿勢があったためです。

 しかも、東電は所有する柏崎・刈羽原発7基(新潟県)のうち、原子力規制委員会が「適合」の判断を出した6、7号機について再稼働を狙っています。地震が多く活断層もある同原発の再稼働は新潟県民の世論に逆らうものです。さらに、東通原発(青森県)の建設も推進しようとしています。福島原発事故を引き起こしたことにまったく反省がありません。

 東電がやるべきことは、福島第1原発事故の収束、第2原発廃炉に力を傾けることであり、すべての被災者への賠償と、生活と生業(なりわい)の再建まで全力であたることです。

 安倍晋三政権の責任も重大です。地元メディアの県民世論調査(1月)では、廃炉に向け「国がより前面に立ち、東電への働きかけを強めるべき」が44・8%に達していました。福島県民の切実な廃炉を求める声に真剣にこたえず、東電まかせに終始した姿勢は大問題です。

エネ基本計画の撤回を

 安倍政権が閣議決定した「エネルギー基本計画」が厳しく問われます。福島原発の事故の後でも、原発を「重要なベースロード(基幹)電源」と位置づけ、30年時点で電力の「20~22%」を原発で賄う方針を変えようとしていません。

 福島第2の廃炉によって、原発事故後に国内の原発21基が廃炉になるのに、現在約3%の発電割合を何倍にも引き上げようというやり方自体が行き詰まっています。

 原発固執と決別し、ゼロへの道へ踏み出すときです。日本共産党など野党4党が共同で国会に提出した「原発ゼロ基本法案」を審議し、実現することが必要です。

(「しんぶん赤旗」2019年7月28日より転載)