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「裁判官は現地に」・・原発津島訴訟 原告が訴え

福島地裁支部

 原発事故で帰還困難区域に指定された福島県浪江町津島地区の住民たちが国や東電に原状回復と完全賠償を求める「ふるさとを返せ 津島原発訴訟」(今野秀則原告団長)の第21回口頭弁論が12日、福島地裁郡山支部(佐々木健二裁判長)で開かれました。

 原告の石井絹江さん(67)、今野千代さん(66)、須藤カノさん(67)に対する本人尋問、関礼子立教大学教授(環境社会学)に対する反対尋問がありました。

 浪江町の産業振興課などで定年まで働いた石井さんは、35頭の乳牛を飼育していた夫のことを話し、「殺処分しなければならなくなった悲しみを紙芝居にして全国各地で公演しています。原発事故は防げたはず。悔しくて悲しい。故郷に帰してほしい」と裁判長に訴えました。

 今野さんは、津島診療所の看護師でした。事故時に浪江町の人たちが最高時350人も来て野戦病院のようになった様子を語り、「裁判官は現地に来て」と述べました。

 須藤さんは、いじめにあった孫のことに触れ、「一日も早く津島に帰れるようにしてほしい」と、涙で陳述しました。

 関教授は、事故は「ふるさと剥奪」だと断じました。反対尋問に立った被告代理人は、関教授がまとめた意見書の信ぴょう性を問う質問に終始。関教授は「被害は現場にある」と反論しました。

(「しんぶん赤旗」2019年7月13日より転載)