福島県の沿岸部の双葉町、富岡町、楢葉町、浪江町などの住民が東京電力に損害賠償を求めた福島原発避難者訴訟(早川篤雄原告団長)の控訴審第4回口頭弁論が20日、仙台高裁(小林久起裁判長)で開かれました。小林裁判長は6月13日、現地での進行協議(検証)を行うことを明らかにしました。
弁論では大塚智さん(81)、小川貴永さん(48)、畑中大子さん(69)、白土由紀江さん(50)の原告4人に対する本人尋問を行いました。
浪江町で不動産業を営んできた大塚さんは、「今年3月中旬と4月に自宅にいきました。人通りはなく、放射能の除染のフレコンバッグだけが目立ちます。住宅は私の歴史です。取り壊すことになりこれ以上の悲しいことはない」と陳述しました。
双葉町で養蜂所を営んできた小川さんは「帰還することは難しいです。今後どうするのか家族でも決まっていません。農業の再生は生きているうちには無理だと思うがトライはしていきたい」と述べました。
畑中さんは元広野町の日本共産党町議です。「全町避難でコミュニティーが壊れ、避難指示解除で、高齢者は戻るが、若い人が戻らない。希望が無く将来を描くことができないでいる」と訴えました。
白土さんは「東電の原子力モニターを1年間やったことがあります。弁当と日当5千円をもらって青森県の六ケ所村に見学にいきました。安全と思っていました。3月14日の爆発で信じていたことが全て信じられなくなりました」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2019年5月21日より転載)