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主張 原発のコスト・・「安価」の根拠は崩れている

 「安全対策費」など費用の高騰で、世界では原発の見直しがすすむ中、安倍政権の原発固執姿勢があらためて問われています。当初の計画よりも建設費用が1・5倍化して英国への原発輸出がとん挫したように、原発が経営として成り立たないことは、隠しようがありません。政府が原発推進のよりどころにしてきた「原発の発電コストが安い」という主張も、再生可能エネルギーの普及と低コスト化の世界的な広がりによって論拠を失っています。

「再エネコストは低減」

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーのコストが下がり、原発は逆にコスト高になっているのが世界の大きな流れです。

 国際的な投資銀行が昨年11月、電源別に新設事業の発電コスト(米セント/1キロワット時当たり)を発表しました。それによると、2010年に9・6セントだった原発は、18年に15・1セントと1・5倍以上に上昇しました。一方、太陽光は24・8セントから、4・3セントと2割以下に、陸上風力は12・4セントから4・2セントと4割以下に低下しました。発電コストの低下が、さらなる導入・普及につながる好循環を生じさせているという指摘もあります。

 今年3月、資源エネルギー庁が政府の会議に出した資料では「世界では再エネコストが大きく低減。太陽光発電・陸上風力発電ともに、1キロワット時当たり10円未満での事業実施が可能」と明記しています(「再生可能エネルギーの発電コスト等について」)。これまで政府は、原子力発電のコストは「1キロワット時当たり10・1円」と算定し、再生可能エネルギーなどよりも原発の方が安いと主張してきました。それが通用しなくなったことを自ら認めざるをえなくなった形です。

 さらに経済産業省内で、原発で発電する電力会社に対する補助・支援制度の創設も念頭に議論していたことが明らかになりました。この仕組みの下では、発電事業者は原発の電気をより高い価格で買ってもらえるために収入が増えますが、消費者の電気料金に上乗せされる危険があります。再生エネ普及が進めば、原発の価格競争力がなくなる事態を想定した動きといわれています。

 東京電力福島第1原発事故から8年がすぎ、原発にかかる費用がふくらみ続けています。

 再稼働させるための既存原発の「安全対策費」は高騰し、18年度に電力11社が出した費用見通しは4兆6000億円にもなります。5年前の見通しと比べて2・5倍です。福島第1原発の事故処理のための費用は、すでに10兆円を超えて、この先さらにふくれ上がることは避けられません。

 また将来必要となる原子力施設の廃止の費用は、事業者の見積もりで、福島第1原発4基の廃炉費用をのぞいても、累計で約6兆7000億円になります。まさに天井知らず、です。コストの面でも重くのしかかる原発と決別することがいよいよ急がれます。

国民の審判によって

 日本共産党など野党4党が国会に共同提出した原発ゼロ基本法案の実現を急ぐとともに、産業としても行き詰まる原発からの脱却こそ必要です。原発ゼロの日本、再生エネ普及への大転換をはかるため、7月の参院選で「原発さよなら」の審判を示すことが重要です。

(「しんぶん赤旗」2019年5月13日より転載)