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福島に生きる 福島市 野口ルミ子さん(31) 原発ゼロの選択を

「世界に誇れる自然豊かな福島にしたい」と語る野口ルミ子さん

 福島市に住む野口ルミ子さん(31)は、東日本大震災と福島第1原発事故のとき、市内の特別養護老人ホームで働いていました。地震発生時は、研修で市内の結婚式場にいました。信号が止まり余震が続くなかで、何とか自宅にたどりつきました。

 施設には福島県沿岸部の浜通りから避難してきた人がおり、入居者も職員も大変な状況でした。食べ物も少なく、ガソリンもなく、水も止まっていました。追い打ちをかけるように原発が爆発し、野口さん自身も「逃げないでいいのか」と選択を迫られました。

■普通災害と違う

 「社会の仕組みが崩れるようでした。原発事故は、普通の災害とは違う事態であることを目の当たりにしました」

 野口さんが介護福祉士の仕事を志したのは、「人々の生活を豊かにするのが福祉。頑張って働き、家族を支え、地域を守り育ててきたお年寄りが大切にされる社会になってほしい」という思いからでした。

 介護の現場は高い志だけでつとまる仕事ではありません。理想と現実のギャップに悩み、やめていく人もたくさんいます。野口さんは出産後、介護職に復帰しましたが、現在は日本共産党県議団事務局で働いています。

 福島県では避難区域の解除が進んでいます。生活の基盤が整わないのに解除になり、戻っても生活が成り立たない地域が増えています。

■避難者応援こそ

 原発事故で避難するか、とどまるか選択を迫られた人たち―。県政の重要課題である避難者それぞれの事情や考え方を理解しなければなりません。「どんな選択をした人もこの8年間必死に頑張ってきたのは同じはず。国も県もその努力を応援してほしい」と野口さんはいいます。

 6月の福島市議選、7月の参院選、11月の県議選と選挙が続きます。夫の野口てつろうさんは、日本共産党の参院福島選挙区候補として活動しています。てつろうさんとの出会いは「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワークふくしま」の活動でした。

 「いよいよ政治を変えるチャンスの年。この福島で生きるひとりの人間として原発ゼロの声をあげたいです」

 (菅野尚夫)

(「しんぶん赤旗」2019年4月23日より転載)