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福島第1 廃炉に特定技能外国人・・東電が方針、国も追認 人権問題と批判の声

事故を起こした福島第1原発(本紙チャーター機から撮影)

専門用語の壁 危険

 坂本恵・福島大学教授の話 特定技能制度が国会で議論されていた時から、外国人が福島第1原発で廃炉作業に従事させられる事態を懸念していました。

 問題の一つは、建設現場が、大きな労災を含め事故やケガをしやすい職種ということです。語学能力が乏しい場合、本人にも現場にとっても危険です。資格取得のため日本語試験は行われますが、合格に必要とされる日本語力は小学校低学年レベルで、建設現場の専門用語はわからない恐れがあります。

 もう一つの問題は、原発の作業は、放射線に関する知識が必要ですが、ほとんどの人がそのような知識を持たないでくるでしょう。被ばく管理や放射線による健康被害についてもきちんとレクチャーされないと極めて危険です。

 健康被害があった場合の対応にも課題があります。相談先も分からず孤立する危険があります。帰国後に放射線障害が現れる可能性もあります。東電は、こういった場合の責任をどうするのか明らかにしなければ、福島第1の現場に特定技能外国人を働かせるべきではありません。

(「しんぶん赤旗」2019年4月20日より転載)