原発ゼロを求める金曜官邸前抗議が3月29日、開始から丸7年を迎え、8年目に入ります。首都圏反原発連合(反原連)が2012年に呼びかけ、最大で20万人が参加した同抗議。呼応する行動は全国に広がり、全国各地で毎週「日本のどこにも原発いらない」の声をあげ続けています。
(内田達朗、前田智也)
全国で呼応 連帯して
北海道旭川市の「金曜行動」は、官邸前抗議がスタートした3カ月後に始まりました。主催者はおらず、およそ10人ほどが毎週自主的に参加。雨の日も雪の日も約1時間、プラカードを掲げてスタンディングをしています。
開始当初から参加しているという荒康子さん(79)は、「福島第1原発事故を目の当たりにして、原発だけは絶対に止めないといけないという思いです。官邸前はもちろん全国で同じ日に行動している人たちの姿に励まされ、私も立ち続けています」と話します。
積み重ねて「330」
「330」。12年3月29日から丸7年。反原連が毎週積み重ねてきた抗議の回数です。ピーク時の12年夏には20万人が官邸前へ足を運ぶなど、原発ゼロを求める世論を可視化。当時政権を担っていた、民主党の野田佳彦首相とも面談しました。
官邸前抗議は「だれでも参加できる抗議行動」としてスタートしました。非暴力を掲げ、これまでデモや集会に来たことがない人たちが安心して参加できる工夫をしてきました。
節目には大規模抗議を開催。当時は珍しかった、各政党の代表が並んだ抗議や、「原発ゼロ」を掲げるさまざまな団体・グループとの共同行動も実現してきました。
反原連は昨年、今後の活動についてアンケートを集めました。約400人から回答があり、「できる限りこれまでのペースで活動を続けてほしいというご意見を多数いただきました」と紹介。今後約2年間は、これまでのペースでの活動を継続していくと表明しました。
2月21日にはステートメントを発表。多くの人びとが強い「怒り」を政府にぶつけていた同抗議は、時間の経過とともに「脱原発の強い『意思』を示す、力強く落ち着いた抗議となっています」とのべ、「市井の人びとの意思表示の場として、金曜官邸前抗議やさまざまな活動を継続すべく、今後も努力していきます」としています。
(「しんぶん赤旗」2019年3月29日より転載)