政府は12月17日午前、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の問題に関する関係閣僚会議の初会合を首相官邸で開き、放射性廃棄物の最終処分場の候補地を国の責任で絞り込む方針を決めました。
菅義偉官房長官は会合後の記者会見で、最終処分場の候補地選定について「国の責任で有望と考えられる地域を示し、国が前面に立って申し入れを行う」と強調しました。こうした方針は、政府が来年(2014年)1月に閣議決定する「エネルギー基本計画」に盛り込まれる見通しです。
政府は2000年に成立した最終処分法に基づき、高レベル放射性廃棄物を地中深くに埋設する方法を採用。しかし、日本に長期にわたって高レベル放射性廃棄物を安定的に埋設できる場所はないと指摘されています。地域住民からは、放射能漏れに伴う健康被害などを懸念する声が強く、最終処分場の設置場所の選定作業は進んでいません。
政府は17日午前、原子力政策全般に関する関係閣僚会議の初会合も開き、エネルギー基本計画の閣議決定に向けた閣僚間の意見集約に着手しました。
最終処分場が決まっていない現状は日本の原発が「トイレのないマンション」に例えられる象徴となっています。今回の方針決定は住民の意向にかかわらず最終処分場を押しつけようとするもので、原発の再稼働を何が何でも進めようとする安倍自公政権の意向を示すものです。