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かながわ訴訟あす判決・・福島原発避難者が賠償請求

 東京電力福島第1原発事故で福島県から神奈川県内に避難した60世帯175人(結審時)の住民が国と東電に総額約53億9千万円の損害賠償を求めた「福島原発かながわ訴訟」の判決が2月20日、横浜地裁(中平健裁判長)で出されます。

 原告は、避難指示対象区域外を含めた避難者で、月35万円の避難慰謝料と1人当たり2000万円の「ふるさと喪失・生活破壊慰謝料」、個々の原告の被害に応じた賠償を求めています。

 ▽事故をひき起こした巨大津波を国と東電が予見し事故を回避できたかどうか▽東電が避難指示区域内外で異なる賠償金額を支払ったことで生じた格差を是正し、賠償金額の大幅な上積みを認められるか―が裁判の大きな争点です。

 全国で約30件ある同種の集団訴訟で国を相手にした5件のうち、国の法的責任が認められたのは、2017年の前橋、福島、18年の京都、東京の4地裁。

 また、原告の被害に対し、司法が地域ごとにどう判断するかも注目されています。

 原告側は、2002年に国の機関が発表した、福島沖を含めた地震予測「長期評価」で原発の敷地高を超える津波が来ることが予想できたにもかかわらず、津波の対策をせず、国も06年までに東電への規制権限を行使しなかったことは違法だと主張しています。

 これに対し国は、津波対策をしても被害は防げなかったと反論。

 一方、原告が被った損害については、国と東電が、100ミリシーベルト以下の被ばく線量による健康への影響を否定し、帰還困難区域外からの避難は科学的根拠が無いと主張。原告側は、避難しなかった場合の生涯累積被ばく線量の調査結果などを示し、避難の合理性を主張しました。

 村田弘原告団長は、「この間、原告の中で7人が亡くなった。8年は私たちにとって重い時間です。判決で責任が認められたら、国は一刻も早く帰還政策を改め、『子ども・被災者支援法』の基本精神に立ち返ってほしい」と話しています。

(「しんぶん赤旗」2019年2月19日より転載)