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東日本大震災 苦闘続く被災地 小池氏 要望聞く・・支援切らないで

移動販売に集まった市民に話を聞く小池書記局長(左から2人目)、岩渕参院議員(左端)=2月19日、岩手県陸前高田市(白石光撮影)

 東日本大震災8年の調査で岩手県入りした日本共産党の小池晃書記局長、岩渕友参院議員らは2月19日、大船渡、陸前高田両市を訪ね、行政などが取り組む被災者の見守り支援活動の実情と課題や、被災した事業者の再建に向けた国への要望などについて関係者から話を聞きました。(岡素晴)

高齢入居者 見守り活動

 大船渡市で小池氏は、見守りによる孤独死を出さない取り組みにかかわる市職員や市社会福祉協議会の関係者らと懇談。生活困窮者の自立相談のほか、生活環境の変化で高齢者が閉じこもって心身機能を低下させないようサロン活動などの支援が行われていると、説明を受けました。市の担当課長は、災害公営住宅に入居する890人のうち237人が高齢の独り暮らしや健康状態などに不安を抱えるため、見守り支援が必要な対象として判断していると語りました。

 住民同士のつながりが希薄になりやすい災害公営住宅のコミュニティー確立の取り組みでは、ラジオ体操や清掃など顔合わせ機会の創出や団地会の形成支援によって、25ある災害公営住宅のほとんどでコミュニティー活動が継続されていると報告されました。

 小池氏は「大切な取り組みなので、財政支援を切らさないよう国に対して求めていきたい」とのべました。

厳しい現状 事業者から

 陸前高田市では、陸前高田商工会の磐井正篤副会長、佐々木誠事務局長らが、震災前は700人だった会員が亡くなったり、廃業したりして200人減少する中、商工会の財政的に厳しい運営の現状を説明。「復興・創生期間」の終了とともに国の支援が打ち切られることへの懸念や中小企業などのグループ施設復旧費を国庫で補助する「グループ補助金」の継続と交付要件緩和、補助金対応をはじめ増えた業務への対応で各商工会に増員された事務員の支援の継続など要望が語られました。

 磐井副会長は、酒類や雑貨などを扱う店を再建した自身の経験を踏まえ、「被災した事業者が頼れるところは商工会以外に何もなかった。何とか支援を途切れさせないでほしい」と訴えました。

 小池氏は「国が今ここで支援を打ち切るなどということは許されない」と強調。消費税10%増税について問われた磐井副会長は、複雑な軽減税率で事業者は大混乱に陥る恐れをのべながら、被災地の復興、生業(なりわい)・生活の再建はまだこれからの中、「今なのか、という思い」と話しました。

 小池氏は「被災地に重くのしかかる消費税増税は中止させましょう」と応じ、「街のにぎわいを取り戻す上でも商工会の役割は極めて大きいので、しっかり国に要望を伝え、支援を求めていきたい」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2019年2月20日より転載)