みどり 鹿児島のシラス台地で育ったサツマイモのお菓子よ。どうぞ。
はるか うれしい。シラス台地といえば火山ね。そういえばこの前、原子力規制委員会が、火山研究のために鹿児島湾の姶良(あいら)カルデラ内の地震計設置や海底の地殻変動調査に乗り出すらしいわね。
当時から批判が
みどり 規制委が、火山のモニタリング(観察)をするの?
はるか そうではなくて、巨大噴火に関する知見を得るためですって。対象にするカルデラは、他に北海道の洞爺や青森の十和田などよ。
みどり 福島第1原発事故後、最初に再稼働した九州電力の川内原発の審査では、巨大噴火が問題になったね。
はるか 規制委は、原発の運用期間中に「影響を及ぼす可能性が十分小さい」という九電の主張を認めて新規制基準に合格と判断したでしょ。
みどり 九電や規制委は、火山モニタリングで火山の状態に変化があれば、必要な場合は原発を止めて核燃料を運び出すなどの措置を取ると説明していたわ。規制委の判断に当時、火山学者らの批判が出ていたわね。
はるか いまだに、どういうときに原発を止めるとかの基準が具体化されてないのよ。
みどり もう、再稼働して3年半たつのに。
項目すら再検討
はるか すでに九電は1年に1回、火山モニタリングの報告を規制委に提出しているけど、安全研究ではモニタリングすべき項目の抽出が目的の一つになっているの。
みどり 項目すらまだ検討しなくてはいけないなんて。それなのに再稼働を許している。規制委の川内原発などについての判断が、とても科学的根拠のあるものとはいえないということね。
はるか 敷地内に過去に火砕流が到達したといわれている原発はほかにもあるでしょ。巨大噴火の火砕流が原発を襲ったら、放出された放射能の被害は、日本中あるいは世界に広がる可能性があるといわれているわ。
みどり 規制委は、知見が少ないのなら安全側に判断して稼働を認めるべきではないわ。逆に「社会通念」を理由にそのリスクを事実上、無視したり、過小評価を黙認することは許されないわ。
(「しんぶん赤旗」2019年2月16日より転載)