原子力規制委員会は12月19日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で放射性物質に汚染されたポンプが放射線管理区域外に持ち出されていた問題で、業務が適切に管理されていなかったなどとして、保安規定違反と認定しました。
原子力規制庁によると、11月29日に放射線管理区域外で、「空」と書かれたテープを貼った高さ1メートル、直径30センチの鋼製容器のふたを作業員が開けたところ、ポンプが収納されていたため、すぐにふたを閉めたといいます。作業員に放射性物質による汚染は確認されていません。
ポンプは、高レベル廃液ガラス固化建屋で、廃ガスに含まれる放射性物質を取り除く装置の洗浄水を循環するために使われていました。
日本原燃は故障の兆候があるとして、8月に新しいポンプと交換。取り外したポンプを、「空」と書かれたテープを貼った鋼製容器に収納し、放射線量などの「汚染物品表示」をせず、放射線管理区域内のガラス固化建屋内に仮置きしていました。
管理区域外に運び出す際、容器が「空」との誤認識のまま、内部の汚染検査などをしないで移動。約3カ月間、放射性物質に汚染されているものとしての管理がされていませんでした。規制委の委員は「組織の文化としての危うさを感じる」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2018年12月20日より転載)