南海トラフ地震の防災対応を検討する政府・中央防災会議の作業部会が12月11日開かれ、報告書案についておおむね合意しました。巨大地震発生後では避難が間に合わない住民らが、あらかじめ1週間程度避難することなどを盛り込みました。
報告書案では、マグニチュード(M)8級の大地震が東西どちらかで起き、残り半分でも続発する可能性が高まった場合、続く地震による津波への避難が間に合わない住民や、避難に時間がかかる高齢者らは事前に避難する方針としました。
他の住民も状況により自主的に避難。事前避難は1週間を基本とし、その後もさらに1週間、地震への備えの再確認や自主的な避難を続けます。
一方、想定震源域内のどこかでM7級の地震が起きた場合やプレート境界で大きな滑りが観測された場合には、備えの再確認など警戒レベルを高めることを基本としました。
政府は従来、大規模地震対策特別措置法に基づく東海地震対策として、地震が予知できる前提で住民避難などを計画していました。しかし「確度の高い地震予測はできない」として見直され、気象庁は昨年11月、「南海トラフ地震関連情報」を発表する体制に移行しました。
政府の地震調査委員会の長期評価では、南海トラフ沿いの地域で今後30年間、M8〜9級地震が起きる可能性は70〜80%とされます。
(「しんぶん赤旗」2018年12月12日より転載)