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泣き寝入り強いるな/仙台高裁 原発避難者が陳述

入廷行動をする原告団・弁護団=12月1日、仙台市

第1回弁論

 東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た福島県楢葉町、双葉町、浪江町などの地域住民が東電に約133億円の損害賠償を求めた集団訴訟(早川篤雄団長)の控訴審第1回口頭弁論が12月3日、仙台高裁(小林久紀裁判長)で開かれました。

 原告216人全員が東電に約6億1000万円の賠償を命じた福島地裁いわき支部の一審判決(3月22日)を不服とし、仙台高裁に控訴したものです。東電も控訴しています。

 原告の早川篤雄さんと小川貴永さんが意見陳述。東電の責任、控訴理由・損害論について原告代理人の弁護士が意見陳述しました。

 早川さんは一審判決が「極めて心ない判決」だと断罪。「故郷をまるごと失い、生きる希望も気力も失っている私たちです。そんな私たちに、あたかも泣き寝入りをしいるような判決でした」「私たちの訴えは、正義が通ることを求めているのです」と陳述しました。

 小川さんは「避難中に私の祖母を亡くしました。一緒に避難した父は半身まひになり、歩くことができなくなり、介護施設に入所しました」「人生を積み上げてきた故郷での暮らしを奪い、苦しい避難生活をあたえた東京電力を許すことができません。公正な判断をお願いいたします」と陳述しました。

 原告代理人の弁護士は「一審判決が被害の内容や実態に関する理解と評価においても、慰謝料算定のあり方についても著しく不当であり、なすべき判断が欠落している。控訴審では、改めて審理を尽くしたうえで、被害の実態に相応した適切な救済をされるように切に求めます」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2018年12月4日より転載)