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原発賠償 加害者任せ・・吉良氏 改定案の問題指摘

反対討論する吉良よし子議員=12月4日、参院文科委

参院委可決

 原子力損害賠償法改定案が12月4日、参院文教科学委員会で自民党、公明党、国民民主党、維新の会などの賛成で可決されました。日本共産党、立憲民主党、希望の会(自由・社民)は反対しました。

 採決に先立つ質疑で、日本共産党の吉良よし子議員は、同改定案が原子力事業者に新たに賠償実施方針の作成・公表を義務付けながら、実施方法は白紙委任となっていることを指摘。「加害者が一方的に方針を決めて、押し付ける懸念を抱かざるをえない」と批判しました。

 吉良氏は、福島第1原発事故の賠償では、東電が一方的に賠償の範囲や賠償の時期を決めたり、全てが合意できなければ1円も被害者に支払わない実態を指摘。改定案では、原発事業者が賠償方法を押し付けたり、賠償請求を制約できないよう省令で明確に禁止し、賠償実施方針についても、妥当性を評価する第三者協議を設けるよう求めました。文科省の佐伯浩治研究開発局長は「省令に何を書くかは、法案成立後、有識者の方も含めて意見を聞きながら検討していく」と述べるだけでした。

 また、吉良氏は、東電が原子力損害賠償紛争審査会の示した中間指針を超える賠償に一切応じていないとして「この際、中間指針を見直すべきだ」と追及。柴山昌彦文科相は「紛争審査会で判断されること」などと言い逃れました。

 吉良氏は「加害責任をうやむやにしたまま、被害者を切り捨てている現状をそのまま一般化して、他の原発にも適用しようという今回の法改定には到底賛成できない」と強調しました。

(「しんぶん赤旗」2018年12月5日より転載)