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国・東電 責任明らか・・福島原発千葉訴訟 控訴審で弁論

 東京電力福島第1原発事故で福島県から千葉県に避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた福島原発千葉訴訟の控訴審第2回口頭弁論が11月16日、東京高裁(白井幸夫裁判長)で開かれました。

 昨年9月の一審千葉地裁判決では、国は津波を予見できたものの事故は回避できなかったとして、国の責任を認めませんでした。一方、東電に対し総額3億7600万円の賠償を命じました。住民側と東電が控訴しました。

 福島県浪江町から避難した80代の原告が意見陳述。事故前は原発が「絶対安全だ」と発信し続け、津波対策をせず事故を起こした「国と東電の責任は明白」と指摘。「事故で人生を挙げて築き上げたものを失った」と述べ、「福島に来て状況を見て、原告の無念さをわかって」と訴えました。

 住民側と被告国側の弁護士が意見陳述。住民側は、国の機関が2002年に公表した地震予測「長期評価」の信頼性を踏まえ、国は公表後速やかに津波対策を東電に指示すべきだったと指摘。建屋の水密化などを講じていれば事故は防げた可能性があったとし、一審判決は誤りだと述べました。また、「甚大な被害に対する真摯(しんし)な検証の前提条件として現地検証が不可欠」と主張しました。

 国側は、「長期評価」は「理学的に否定できない」程度の知見で、「審議会の検証に堪え得る客観的合理的な根拠を伴わない」と繰り返し、津波対策しても事故が回避できた可能性はないと述べ、国に責任はないとしました。

(「しんぶん赤旗」2018年11月18日より転載)