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東電公判 「誰も責任取らず悔しい」・・原発事故被害者遺族が陳述/来月論告求刑

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の第34回公判が11月14日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれました。被害者の遺族が意見陳述し、「これだけの被害を出して、誰一人、責任を取っていないのは悔しい」と訴えました。

 同原発から約4・5キロ離れた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者338人と、同系列の介護老人保健施設ドーヴィル双葉(同町)の入所者98人は長時間の避難を余儀なくされ、計44人が移動中のバスの車内や避難先で死亡しました。

 ドーヴィルに入所していた両親を亡くした娘は、長時間の避難は過酷な移動だったとして「どんな思いで死んでいったのか、心が押しつぶされそうです」と述べました。納骨できたのは約5年後でした。同原発の敷地の高さを超える大津波が襲来する報告を受けながら、旧経営陣が対策を見送ったことについて「しっかり対策を取っていれば、事故を防げたかもしれないと思うと許せない」と訴えました。

 同じ被害者の孫の男性は「事故の責任者は誰なのか、法によって裁かれる責任者は誰なのか。高度な注意義務を負う人に責任を取ってもらわないと教訓にならない」と述べました。

 法廷では双葉病院の患者の遺族3人の陳述書が読み上げられました。同病院から避難できなかった母を亡くした女性は、被告らの責任逃れの証言を批判しながら、「全責任は上層部にあると認めることを心から願います。母の死因は心不全ですが、東電に殺されたと思っている」と述べました。

 同病院に入院していた兄を失った遺族は、「旧経営陣は、切迫感や緊張感があって対応していたら、もっと別の方に向かっていたのではないか」と指摘。

 「慢心があったとしか言いようがない」と述べました。

 傍聴席からはすすり泣く声が漏れ、元会長の勝俣恒久被告(78)らはうつむき気味で聞き入りました。

 次回12月26日の公判で検察官役の指定弁護士の論告求刑が行われます。同27日に被害者参加代理人が意見錬述する予定。来年3月に弁護側の最終弁論が行われ、結審するとみられます。

(「しんぶん赤旗」2018年11月15日より転載)