日本共産党嶺南地区委員会 > 美浜3号事故 > ずさんな安全管理次々 国、関電、三菱重工が責任たらい回し‥独立した規制機関が必要

ずさんな安全管理次々 国、関電、三菱重工が責任たらい回し‥独立した規制機関が必要

十一人の死傷者を出した美浜原発3号機の事故は、原発の安全管理体制の欠陥を浮き彫りにしました。

国は、破裂した配管の検査基準を電力会社まかせにし、電力会社は検査を業者に“丸投げ”してまったく責任を負わない―。検査基準を策定した原発メーカーの三菱重工業は、点検項目の漏れに気がついても、関西電力に直接連絡もしない―。事故に直接の責任を負う関西電力は、点検を請け負わせた企業から点検の必要性を指摘されても、「説明はなかった」といって、検査を先延ばしにした責任を逃れようとする―。

事故後の調査で、関西電力だけで新たに六基の原発で十五カ所の点検漏れが判明しました。日本原子力発電の敦賀原発や北海道電力の泊原発でも点検漏れが発覚、関西電力だけの問題でないことも明らかになりました。

美浜原発の1号機と2号機では、配管の肉厚が国の基準を下回るまで摩耗が進行していたのに、勝手な解釈で「問題ない」と判断。配管を交換しないまま運転を続けていました。摩耗によって配管の残り寿命が切れているのに、勝手に寿命を延長して運転を続けていたことも明らかになりました。

いつ原発事故が起きても不思議ではない状況が以前から続いていたのです。

美浜3号機の破裂した配管について関西電力は二〇〇〇年五月に、「合理的な点検基準を策定し運用している」という報告書を当時の通産省に提出。通産省はその報告書を「妥当」と評価していました。

国の責任で原発の安全を確保する体制がなく、電力会社の利益が優先される現在のあり方では、原発の安全が守れないことを今回の事態は示しています。原発の安全確保のために、十分な権限と能力をもつ、推進機関とは独立した規制機関が必要です。

前田利夫記者

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