政府の核燃料サイクル政策の経済性を問う集会が2日、国会内で開かれました。原子力資料情報室と新外交イニシアティブの主催、約80人が参加しました。
原子力委員会は7月31日に、日本の「プルトニウムの保有量を減少させる」ことを明記した方針を発表。しかし、政府は原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して利用する核燃料サイクルを維持する方針はそのままです。元米国務次官代理のトーマス・カントリーマン氏は、日本が47トンもの分離プルトニウムを保有することで近隣諸国から批判があることなどに触れ、「日本が、東アジアの再処理を一定期間停止することを呼びかけることで、核の緊張の緩和と信頼構築につながる」と述べました。
トーマス氏はまた、「プルトニウムは資産ではなく廃棄物である事実を、日本は受け入れがたいかもしれないが受け入れる必要がある」と指摘しました。
長崎大学核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎氏は、核燃サイクルについて過去に行われた評価では経済性や核拡散、セキュリティー面で再処理せずに廃棄する方が優位であったと示し、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉の決定など新たな状況下で「第三者機関で包括的評価を実施すべきだ」と強調しました。
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問の辰巳菊子氏は、「電力事業者、国は国民が分かるようにコストについて説明していくべきだ」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2018年8月4日より転載)