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子の教育環境が悪化・・いわき市民訴訟 原告側が陳述

 低線量汚染地域で日常生活を余儀なくされていることへの国と東京電力の責任と完全賠償を求めた、いわき市民訴訟(伊東達也・原告団長)の第30回口頭弁論が7月4日、福島地裁いわき支部(名島亭卓裁判長)で開かれました。

 原告側は(1)津波に関する予見可能性(2)結果回避可能性(3)子どもの教育環境悪化と精神的損害について代理人が意見陳述。代理人は、(3)について自然豊かないわき市で保育を実践してきたことを述べて、「そうした当たり前の生活が福島原発事故で一変。家族はパニックになり、見えない恐怖で窓も開けることもできず、外に出られないストレスで子どもから笑顔も消えた」ことを陳述しました。「屋外活動の制限・自粛の結果、福島県の子どもには、肥満傾向が顕著にみられ、二次被害ともいえる運動能力の低下や発達の後退などを指摘している研究結果もある」とのべました。

 さらに、厚生労働省の保育所保育指針で掲げられている「安心できる人的物的環境の下で、聞く、見る、触れる、嗅ぐ、味わうなどの感覚の働きを豊かにする」目標が全く達成できない時期が相当期間続いたと指摘。「こうした制限は現在も続いていることをぜひとも裁判官に知っていただきたい」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2018年7月5日より転載)