改正省エネルギー法が6日の参院本会議で、全会一致で可決・成立しました。これに先立ち、参院経済産業委員会は5月31日、改正案について参考人質疑を行いました。
龍谷大学の大島堅一教授は、電源構成比における原発の目標を2030年で20~22%とする政府の第5次エネルギー基本計画案に言及。放射能汚染や事故のリスクなどにふれておらず「認識の誤りが多い」と批判しました。
日本共産党の岩渕友議員は、原発を「ベースロード電源」と位置づけ、「電力コストが低廉」だとした同計画案への見解を質問。大島氏は、福島第1原発事故後の安全対策強化で建設費が倍増しており、事故が起きればコストがより膨大になるとして「これ以上経済的に見合わない電源はない」と強調しました。
大島氏は、同計画案が福島原発事故による避難者を2・4万人に絞っていると指摘。岩渕氏も「被害の実態を反映していない」と批判しました。
自然エネルギー財団の大野輝之理事は、同計画案が再生可能エネルギーを「主力電源化」する方針を示す一方、導入目標を22~24%に据え置いたことに言及。「目標を引き上げるべきだ」と指摘しました。
岩渕氏は、今国会で野党4党が史上初めて「原発ゼロ基本法案」を提出したと紹介。原発ゼロの実現と再エネへの転換は「多くの国民の世論であり、福島の願いだ」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2018年6月7日より転載)